誹謗中傷による判例を7つ紹介!判断基準やおすすめの対策方法を解説

天秤とガベルと積み重なった本「誹謗中傷で裁判になったケースはなにか」「誹謗中傷で訴えるときに必要な条件はあるのか」など、誹謗中傷に関する判例について疑問を感じている方は多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、誹謗中傷を元に裁判に至ったケースや成立するための条件などを分かりやすく解説していきます。

誹謗中傷から訴訟に発展した判例を知っておくことで、冷静な対処が可能です。後半では、適切な対処法についても記載していますので、ぜひ参考にしてみてください。

誹謗中傷による訴えが成立する条件について

相談を受けるスーツの男性

もし誹謗中傷の被害にあってしまった場合、名誉毀損として訴えられます。そのため、匿名の書き込みなど、身に覚えのないことで理不尽な目にあった場合、泣き寝入りする必要はありません。

そこでこの章では、名誉毀損としての訴えが成立する3つの条件について分かりやすく解説します。これから紹介する条件を全て満たす場合に、名誉毀損が成立します。

1.公然的である

誹謗中傷が成立する条件には、公然的であるかどうかが判断材料です。公然的を簡単に説明すると「不特定多数に知られる可能性のある状態」を指します。

例えば、ブログやSNSなどの書き込みは公然的に当てはまります。ネット上の投稿は誰でも閲覧できてしまいます。

2.具体的な事実の摘示がある

成立要件として「事実の摘示」も挙げられます。事実の摘示とは、物事を真実の有無に関わらず、実際に起こった出来事として伝えることをいいます。

例えば「上司と同僚が不倫している」「反社会勢力と繋がっている」などが当てはまります。

「事実の摘示」とは、真実かどうかに関わらずあたかも本当かのように伝えていることを指します。

3.社会的名誉に関わる

誹謗中傷の被害が社会的名誉の侵害に関わる場合、民事や刑事的措置の対象となります。「社会的名誉」とは、個人や企業が大衆から受ける評価のことです。

例えば、商品のレビューで「ここの会社はコスト面で不正をしているから欠陥品が多い」「信用できない」など記載されたとします。口コミをみた消費者は、購入を留まり、企業に対して不信感を抱くでしょう。

社会的名誉は、誹謗中傷によって社会から信用を無くしたり、評価を下げられたりすることで傷つきます。

誹謗中傷でも名誉毀損にならない例外的なケースとは?

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上記で紹介した3つの条件を満たす場合でも、必ずしも名誉毀損で訴えられるとは限りません。名誉毀損で起訴できないケースが例外的にあるためです。

ここからは、誹謗中傷を受けても名誉毀損で訴えることのできない条件について詳しく解説します。おもなケースは3点です。

これから起訴を考えている企業には、特に確認していただきたい内容です。ぜひ参考にしてみてください。

1.公共性である

公共性であるということは「おおやけにされていること」を示します。誰に対しても一般的で共通する物事を指します。例えば、国家が国民に対して行う公的運動、共通したサービスである公共の福祉などが当てはまります。

公共性とひとことでまとめても、内容が濃くひとつの定義を持たないため分かりにくいでしょう。誹謗中傷が公共性であるかどうか不明なとき、一般的に知る権利があるかどうかに注目すると判断しやすくなります。

2.公益性がある

「公益性」とは、不特定かつ多数の利益が増えるものを示します。公共性と異なる点は、物事が世間へ良い利益をもたらすかどうかを含む点です。

例えば、政治家が税金を過去に不正利用していたなどに関するスキャンダルは、一般市民も知るべき事実として公益性に当たります。そのため、誹謗中傷に当てはまる内容の記事が出回っても、名誉毀損として扱われにくい傾向があります。

3.真実性に基づいている

誹謗中傷の内容に真実性がある場合、名誉毀損として訴えられないケースがあります。

例えば、とある論文に虚偽の表現があったと学生が告発したとします。このとき、論文の虚偽が真実性に基づくと証明できる場合、論文の著者は学生を名誉毀損で訴えることはできません。

さらに、論文は一般常識を変える可能性があるため、公益性をも持つとされています。

真実性に基づいていると証明できる場合、誹謗中傷で名誉毀損は成立しにくいでしょう。

誹謗中傷から訴訟に至った判例7つ

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ネットが普及した現在、誹謗中傷による裁判は、増加傾向になります。ここでは、実際に誹謗中傷を受けて裁判に至ったケースを7つご紹介します。

名誉毀損として損害賠償を請求できた場合や不成立となった場合など、全て異なるパターンのものをまとめています。ぜひ参考にしてみてください。

1.ネット上での無断投稿

漫画家であるAさんは、自身のイラストが無断転載されていることを知り、削除依頼を出しました。しかし、投稿者はそれを拒否し、Aさんに対して「脅迫された」と誹謗中傷を行った結果、民事訴訟に至った判例です。

原告 漫画家のAさん
被告 無断投稿者
結果 慰謝料30万円の支払い
著作権侵害による損害20万円の支払い
訴訟費用7/8の負担

イラストや写真などの画像は、フリー素材と明記されていない限り著作権が発生します。
結果として、誹謗中傷による名誉毀損として慰謝料だけではなく、投稿者へ著作権侵害による損害料が発生しました。

参考: 『平成24年 著作権 民事訴訟 判例/東京地方裁判所』

2.意見や論評など表現による問題

B氏の著書について、C氏が引用と共に批判的な書籍を出版しました。対してB氏が、名誉毀損および著作権侵害として民事訴訟を起こした判例です。

原告 B氏
被告 C氏
結果 名誉毀損の棄却

結果、C氏はB氏の著作物の一部分を無断で採録したにも関わらず、C氏の批判的な書籍は「意見ないし評論」にあたるとして、名誉毀損は不成立となりました。

新聞や書籍などメディアによる表現が意見なのか評論なのか、事実の摘示かどうかの判断は困難とされています。

参考: 『名誉毀損に関する近時の裁判例/OIKE LIBRARY』

3.インターネット上の書き込み

20代女性の麻雀士Dさんに対して「整形雀士」と書き込み、容貌や異性関係について屈辱的な表現で事実を摘示したとして匿名の書き込み相手が起訴されました。

原告 20代プロ麻雀士Dさん
被告 匿名の書き込み
結果 損害賠償100万円
名誉毀損発言の削除命令

結果、書き込んだ者に対して、Cさんへ100万円の損害賠償の支払いが命じられました。ネットの普及に伴い、匿名での書き込み等による訴訟が多くなっています。

容姿や異性関係に関する書き込みで、社会的評価を低下させたとして名誉毀損にあたる判例です。インターネット上の書き込みに関しては、平成14年5月27日に施行されたプロバイダ責任制限法によって、発信者情報の開示請求が認められています。

参考: 『名誉毀損に関する近時の裁判例/OIKE LIBRARY』

4.ハラスメント行為

所長であるF氏は、課長代理E氏の処理状況の悪さを職場内メールで共有しました。
E氏は、叱咤の範囲を超えているとして、名誉毀損ないしパワハラでF氏を訴えた判例です。

原告 課長代理E氏
被告 所長F氏
結果 慰謝料5万円の支払い

結果、メール中に「退職を促す内容が記載されていたこと」や同僚など「不特定多数の目に触れたこと」など、許容限度を超えているとして、誹謗中傷による名誉毀損が成立しました。

誹謗中傷は、モラルハラスメント(モラハラ)行為にあたります。
モラハラの一種であるパワーハラスメント(パワハラ)は、権力や立場を利用したハラスメントです。

参考: 『労働基準判例検索/公益社団法人 全国労働基準関係団体連合会』

5.まとめサイトなど自筆のないもの

Gさんは、自国に対して差別的な書き込みを不特定多数へ発信したとして、まとめサイト管理人に対し2,200万円の支払いを要求した判例です。

原告 他国籍のGさん
被告 まとめサイト管理人
結果 損害賠償200万円の支払い

結果として、まとめサイトとして匿名掲示板の書き込みをまとめただけだとしても、一定の意図に基づき作成されたものとして管理人へ200万円の損害賠償の支払いが確定しました。

まとめサイトは、外部で記載されている情報を一つの記事として作成するため、自筆していなくとも誹謗中傷に該当します。

参考: 『保守速報への賠償命令確定 まとめサイトで人種差別など/朝日新聞』

6.SNS上の発言

Hさんに対して、複数のアカウントから「淫売している」「旦那は強姦魔だった」など事実無根の書き込みに対して、誹謗中傷による損害賠償請求の訴訟を起こしました。

原告 フリーランスのHさん
被告 複数の匿名アカウント
結果 損害賠償264万円の支払い

結果、事実の摘示により社会的評価の低下を招くとして、投稿者へ損害賠償の支払いが成立しています。

SNSは、不特定多数が利用する環境です。つまり、公然性に当てはまるため個人の不名誉な内容が投稿された場合、誹謗中傷として取り扱われます。

SNSの普及が進むなか、軽い気持ちで発言したことが誹謗中傷となり、裁判に発展する例も少なくありません。

参考: 『Twitterで「淫売」や「旦那は強姦魔」などの誹謗中傷 投稿者との闘い/livedoor News』

7.なりすまし行為

とあるマンションの建設を担当するI氏のなりすましとして、掲示板に建設を否定する書き込みがされました。名誉や信用、プライバシー権の侵害にあたるとして訴訟に至った判例です。

原告 マンション建設責任者I氏
被告 投稿者
結果 名誉毀損の棄却

投稿者はマンション建設責任者I氏の名前を名乗っていましたが、I氏が書き込むとは到底予想できない内容だったため、なりすましが不成立として棄却されました。

なりすまし行為は「なりすましが成立しているかどうか」「なりすましにより個人の権利が侵害されたかどうか」が訴訟成立のカギです。書き込み内容を見て、他者が本人であると誤認し得ないかどうかも判断基準となっています。

参考: 『なりすましの削除やIPアドレス開示請求/モノリス法律事務所』/

誹謗中傷として訴えるときの流れ

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誹謗中傷を訴えるときのステップ 要求先
1.IPアドレスの開示 サイト管理者
2.個人情報の開示 プロバイダ会社
3.賠償金の請求 投稿者(犯人)

誹謗中傷を訴える際の手順は、主に上記の3ステップです。

まず、誹謗中傷を書き込んだ相手が匿名の場合、サイト管理者へIPアドレスの開示を求めます。IPアドレスの開示と共にプロバイダーが特定できるため、プロバイダー個人情報を聞き出します。ここまでスムーズに開示されると、投稿者本人へ裁判もしくは示談に持ち込めるでしょう。

しかし、ほとんどの場合、IPアドレスや個人情報の開示を拒否されるため早い段階で裁判になることが多いです。

誹謗中傷の被害者になってしまったら専門業者を利用する方法もある

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誹謗中傷の被害者になってしまうと、売り上げの減少や取引先・顧客からの信頼低下などの悪影響を及ぼします。

誹謗中傷でお悩みの企業は、専門業者への依頼を検討してみてください。被害を拡大する前に対処してもらえるため、事態を解決に導きやすいです。

ここでは、誹謗中傷を受けたときの対処に専門業者を利用するメリットをお伝えします。

1.即座に対応できる

専門業者は、誹謗中傷に対して素早く対応してくれます。

誹謗中傷は、放置する期間が長ければ長いほど事態が悪化しやすくなってしまいます。専門業者は、様々なケースの誹謗中傷に対して対応に慣れているプロです。

無駄のない手順で適切に素早く対策してくれるため、被害拡大を防げます。

2.再発防止も可能

専門業者は、誹謗中傷が繰り返されないために再発防止策を練ってくれることもメリットです。

誹謗中傷対策をおこなったとしても、また新たなトラブルが発生してしまう可能性があります。専門業者に依頼することで、誹謗中傷を受けない仕組みづくりを専門的見解から提案してくれます。

3.問題が発生した原因が分かる

専門業者に依頼することで、誹謗中傷が発生した原因を第三者の視点でとらえることができます。原因が分かることで、トラブルの根本的な解決にもつながるでしょう。

誹謗中傷などインターネット上の問題は、いつ起こるか分かりません。原因を解明することで、自社でも対策しやすくなることがメリットです。

誹謗中傷に関するご相談はブランドコントロールへ

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ブランドコントロールのもつ誹謗中傷対策として「ブランドセキュリティ」があります。
ブランドセキュリティでは、誹謗中傷による個人や企業の損失を回避するために「誹謗中傷を受けないための仕組み作り」を重要視しています。

誹謗中傷を見つけて、単に削除するだけでは問題の根本的な解決ができません。ブランドセキュリティでは、Googleのアルゴリズムを常にAIで監視しています。AIを活用することで、膨大な情報を処理できるため成果が出やすいのが特徴です。

<ブランドセキュリティの強み>
・GoogleアルゴリズムをAIで監視
・即効性の高い危機管理、誹謗中傷を受けない仕組み作り

ブランドセキュリティを利用することで、誹謗中傷に対して一時的な対策ではなく、しっかりと根本の問題と向き合えます。

まとめ

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誹謗中傷によって、裁判に至った具体的な事例は数多くあります。本記事で紹介した判例もほんの一部にすぎません。誰もがネットを使える今の時代、誹謗中傷は身近な問題でもあります。いざというときに慌てないために、過去の判例を知っておくとよいでしょう。

誹謗中傷に対応するには、時間も労力もかかります。専門業者を利用することで、迅速かつ適切な対処が可能です。そのため、普段の業務に支障をきたすことなく対処できます。

インターネット上のトラブルでお悩みでしたら、ぜひブランドコントロールのブランドセキュリティをご利用ください。貴社のブランドイメージや価値をお守りします。

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